3day’s ~満ちてゆく刻の彼方で~  「ループものについて」

3day's ~満ちてゆく刻の彼方で~ 限定版

3day's ~満ちてゆく刻の彼方で~ 限定版

発売当時、「ループもの」と聞いて気になっていたゲームだが、最近入手しプレイ。


※ここでいう「ループもの」とは
何度も同じ共通ルート(もしくは類似ルート)を繰り返すというノベルゲームのシステムをそのままストーリー上の設定に反映させたもの。システム≒ストーリーだけあって結構相性は良く、ループものを扱った作品には名作も多い。


タイトルどおり3日間がループする時間枠のサスペンス学園モノ。
とりあえず一週目では 1日目から通学中既に死体が発見されるというショッキングがイベントが発生。ループ以前から死んでいると思われるので、ループ後に生前の相手から情報が得ることができないというのが肝。
そして2日目、3日目とカウントするように周りの人が殺されていくのだけど、中盤の「真実の扉」に行き着かない限り主人公がループ現象を自覚できない、、というのがプレイヤーをやきもきさせる。
とくに2日目の被害者なんか完全に自殺だから犯人が分からなくて????とさせられました。


で、中盤以降の超展開っぷりがすごい。
たしかにループ現象自体がファンタジーだけれど、基本は現代学園ものだったから、ほんとに根本から魔術使ったりとする現代ファンタジーだとは思わなかった(汗。
一応、序盤の月子登場時の演出はファンタジー路線になることへの伏線なのか…?


陰陽術と他流派の融合や三大呪具の設定など凝っているのだけど、前積みが少ないせいか突然のファンタジー展開にのめり込めず、バトル展開に「燃え」が足りないかんじはあった。主人公の容姿が「典型的なギャルゲー主人公(前髪で目が隠れている)」で個性が弱いというのもある。
魔力の衰えという設定があるとはいえ、エンディングより中盤戦のほうが熱いバトルというのはいかがなものか(汗)。
0日目に戻るためにわざと死ぬ決断をする瞬間が一番熱かったかも。


あとディスティニークリックシステムは分かりにくすぎwwwこれのおかげでループを抜け出すのにどれだけかかったことか。


もう少し設定を上手く使って掘り込んでいれば、名作になりえたのではないか?というもったいない作品でした。





この手の「ループもの」のゲームはかなり多く、有名どころでは

  • ひぐらしのなく頃に … (圭一と)梨花は死ぬたびに繰り返す世界を自覚できる。
  • CROSS†CHANNEL … 部員以外誰もいない世界で一週間の時を繰り返す。主人公+αが繰り返しを自覚。
  • 歌月十夜夢魔レンの見せる夢の世界を繰り返すが、志貴はだんだん繰り返しを自覚してくる。
  • Fate hollow/ataraxia … 4日間の可能性の世界を繰り返す。バゼット、アンリ等が繰り返しを自覚。
  • マブラヴオルタネイティヴ … 主人公が繰り返す平行世界の記憶をもっているが、システムと繋がっているか?というと弱いかも。
  • 腐り姫 … 昔過ぎてよく覚えてないが、時間ループに近い現象だったような気がする。

などがある。
ループ現象がストーリーの順番に直結しているから完成した一つの物語がつくりやすいんだろうなぁ。


調べてみたらこんなとこに関連記事が。いろいろあるもんだ。細かく分けると「やりなおしもの」という括りがあるとは知らなかった。
http://grev.g.hatena.ne.jp/keyword/LoopAndReplayFictions
ああ、AIRも国崎さん状態とソラ状態があるからある意味「ループもの」なのか。

例外として「最果てのイマ」はループものではないが、システムを上手くストーリーに溶け込ませていると思う。
ネタバレすると、最果てのイマでは主人公がループしているように見えるが、実は主人公は記憶障害で時間列を関連付ける機能が混乱を起こしているというもの。
それによって 記憶の混乱前後に死んだ友人がプレイヤー視点のループ上で不自然に居たり居なかったりする。