僕は天使の羽を踏まない

僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)

僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)

作者が「リヴァイアサン」や「多重人格探偵サイコ」の原作者で有名な大塚英二さんということで、
一度どんな作風か知ってみたかったことが一つと、
なによりソフトカバー表紙のイラストに惹かれて購入。


読後の感想として一言。「CLAMP作品の同人小説のようだ。」
(実際、CLAMP作品の同人小説など見たことはないのだけど、イメージとして)

生まれ変わりものの作品なんですが、
他のラノベと比べて妙に現実臭いところが仇となり
「前世」云々という会話が後半まで読み進んでも
電波にやられてるようにしか聞こえません(汗)。
あと、登場人物が皆そろって諦観していて感情移入もしにくそうな作風でした。


序盤の導入部は前世を信じているヒロインらが集団自殺しようとするなど、
展開に興味を惹かれるのだけど、
3章ごろから後半になるにつれて「ロンギヌスの槍(くさなぎの剣)」だの
八犬伝の正しい解釈」、「聖神邪の生まれ変わり」と
どんどん胡散臭くなってきて物語についていけなくなってきます(汗)。


しかし、前世治療を試みようとする医師や、
双子のみを狙った殺人者「複雑系」を追う死体写真家の視点
が語られたあたりの内容は人物の行動や内面が人間的で比較的面白かった。


※ちなみに本は読み終えたその日にUNOゲームの景品として進呈し、
サークル仲間の手に渡りました。
やはり表紙だけ見ると「雲の向こう、約束の場所
を連想させるようなイメージで興味を惹くらしい。