私立!三十三間堂学院 3巻

私立!三十三間堂学院〈3〉 (電撃文庫)

今月購入した唯一の電撃文庫作品。
とらドラ！にも惹かれたけど、まずはこの一冊。

初刊、2巻ともに「主人公を好き」という前提で騒動が起きる作品だけども、
今回のヒロインは「嫌い」から始まっている。
とは言っても生徒会長みたいに
「好き」に気付いていないだけの「嫌い」に近いので
まぁあまり他のキャラクターと変わりませんが
序盤の嫌われっぷりは新鮮です。

今回は女子寮に舞台をあてた話で
新キャラの生徒がこれまた多いです。
ゲストヒロインである剣道部部長兼女子寮寮長の伊奈に、
姉御肌のリタ、
近藤美沙の姉の奈良園健子、
ついでに千住家の家政婦の香菜。
元から登場人物が多いので挿絵に登場人物の一覧が無ければ
誰が誰だか覚え切れません(汗)。
こういうとき、漫画特有のピンクや青の髪は
キャラクターを覚えやすくて便利ですけどね。

しかし、その登場人物全員を生かして
物語を転がす佐藤ケイの執筆力もまた凄いです。
他の萌え萌えとフェチを押し出した佐藤ケイ作品と
知略メインでキャラを動かす佐藤ケイと二人いるのでは？と思うくらい。

ラブコメのはずなのに終盤は相変わらず
バトルメイン(笑)。
刀や弓をことあるごとに持ち出す生徒会長や副会長がいなければ
もっと別の作品になってるんでしょうが
終盤らしく盛り上がりがあるのでこれはこれで良し。

どーでもいいけど山路あやは表紙に出るほど
今回の出番ないよな…。

毎回、騒動のきっかけは唯一の男子である後白河法行とゲストヒロインだけども
騒動が起きてから持ち前の知略で流れを作っていくのが必ず真奈である以上
この作品のヒロインは花音でもかずちでも生徒会長でもない真奈なのだろうな。
というわけでもし主人公が誰とも付き合わないという以外の結末があるとしたら
最終巻のゲストヒロインは真奈だと予想しています。