刀語 第一話 絶刀・鉋

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

刀語  第二話  斬刀・鈍 (講談社BOX)

刀語 第二話 斬刀・鈍 (講談社BOX)


非情に面白かった………が。


何度も言っているようにやっぱ講談社BOX文庫は高い。これで1000円はないよ〜。
12巻揃えたら12000円ですよ?


文庫サイズのライトノベルとの比較。


余白も妙に広いので実質の文章量を誤魔化されてるかんじ。
B6版サイズでありながら電撃文庫と同じ一行42文字です。
230p で1000円 (BOX文庫)と450p で650円 (例:電撃)ですか。
イラスト目的のラノベとしてみても
箱にナナメに張ってあるシールという形はあまり魅力を感じない。
(しかも絵に直接「編集長の言葉」シールとか張ってるしありえない…)
まだ同じ文庫型で1000円のほうが買いたいと思えます。


最初こそ西尾維新新作や奈須きのこ文庫第二段という
大物作家がいたからこそ売れたのだろうが、
これからはそうはいかないだろう。




肝心の小説の内容。
12話連続刊行とかいう妙な企画にかぶれようが、
「腐っても西尾維新」。
言葉遊びがそのまま強さに還元される相変わらずの面白さです。
内容が詰め込み具合やキャラクターの魅力では圧倒的に先の化物語のほうが上ですが、
今作もあらかじめ設定された「刀の魅力」がハンパじゃない。


刃が欠けず、折れることもない最強の硬度を持つ絶刀・鉋(カンナ)をはじめ、
斬刀・鈍(ナマクラ) …なんでも斬れる
千刀・鎩(ツルギ) 
薄刀・針(ハリ) …折れやすい
賊刀・鎧(ヨロイ)
双刀・鎚(カナヅチ)
悪刀・鐚(ビタ)
微刀・釵(カンザシ)
王刀・鋸(ノコギリ)
誠刀・銓(ハカリ)
毒刀・鍍(メッキ)
炎刀・銃(ジュウ)

と名前を聞いただけでゾクゾクするようなカタナが大勢出てくる様子。
それに加え、虚刀流奥義が7つ(+「水仙」などの構え)と
真庭忍軍残り11人…と少年漫画チックに堂々とした伏線上等してます。



持ち主もソレ相応の特性を持っていて
実力がどうこうでなく、完全に相性での戦い。
西尾作品の他の主人公と比べて大きな違いがあるとすれば
「主人公がバカ」なこと。
頭が悪いということではないが、代表いーちゃんやほか大勢と比べると
読み合いやひねった言葉遊びの格は著しく下がるであろう。
奇策士のとがめや七実といった女性陣は頭脳派(?)系だが、
「主人公がひねくれてない」というのはなかなか面白くしにくいのでは。
主人公の世間知らずをどれだけ生かせるかな。
「一話一刀」(完全に決まったわけではないが)と型に嵌りすぎてるのは
それまでは終わらないという安心感を与えてしまい、
一巻一巻での緊迫巻が薄れるので大きなマイナス。


1巻で面白かった点では
これだけ序盤で十二本のカタナの脅威を説明してるのに
いざカタナの持ち主との決闘となるや、
カタナよりも持ち主の能力のほうがぶっ飛んでること。
抜き身のカナタの体内から引き出す真庭蝙蝠に対し、
「いや。どう考えてもここで驚くべきはあんたの体質だ」
七花に賛同ww



1000円あれば、電撃文庫の新人を2人分漁れるわけで。
2巻からも買うかどうかは現在考え中。



誤字ってた。
「15万円」はさすがにないわwwwどんな計算ですかww
「5」を入れただけで15倍にorz