電波的な彼女 幸福ゲーム
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: 文庫
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ベッタベタにCG〜!という絵ではなく、こう…なんか、ザラザラとた質感のあるカラー塗りと白黒のメリハリが利いた挿絵が好みです。山本ヤマトさんの個人サイト行くと、線画は同じながらも、塗りの画風が違っていてどっちかというと女性向けっぽい雰囲気がありました。ちょっと意外。
小説の内容のほうは前回、前々回と比べて犯罪の規模は小さいながらも陰湿さがかなり上がっています。
それに比べ、話の雰囲気を暗く感じないのは事実を淡々と考察する雨、円、雪姫(刃物持ち)の3人組みと明快天真爛漫な雪姫(刃物無し)のテンションのおかげでしょうか。
毎回「犯人探し」という展開で推理作品のようにみえますけど、犯行の動機がタイトルどおり電波だし、犯行そのものも情報収集→推理→結果という過程を全て雨達が省いてしまっていて、ほとんど推理のしようがありません(汗)。推理「っぽい」雰囲気を楽しむ作品としてみるべきなのかな?
もしくは雨とジュウのやり取りである雑学や何気ない認識を穿った見方とか。
今回も犯行そのものの内面には踏み込むけれど、メインキャラの内面に踏み込んだ描写は少ないので、わざとそういう部分を先延ばしにして展開をゆっくりさせることで何巻も続巻させようとする意図が見えたり、見えなかったりする。
長すぎず、短すぎず綺麗に収まってくれるといいな。